食品に関する冷蔵冷凍物流倉庫の需要分析

本報告資料は、物流倉庫の需要分析をテーマとし、農産物物流の課題(輸送距離の延伸、ドライバー不足、拠点老朽化、輸送アンバランス、電気代高騰)と解決策(鮮度維持、大ロット輸送、拠点整備、モーダルシフト、省エネ、補助金活用、卸売市場法見直し)を体系的にまとめています。

11/28/2025

農産物物流の課題

東京都中央卸売市場における産地からの輸送距離

東京都中央卸売市場全体の野菜の重量ベースによる産地からの平均輸送距離は、1960年は243.7 kmであったのが、1980年に398.8 km、1990年に455.8 km、2021年は526.4 kmとなっている。このように、平均輸送距離は500 kmを超えており、東京都中央卸売市場には、全国の産地から長距離輸送された野菜が集積している状況が窺える。

輸送距離250~500 kmは日帰り運行が難しく、ドライバー確保が難しくなることが想定される。これらの地域は東北南部、北陸、東海、関西だが、入荷は比較的少なく、10%弱で推移している。500~1,000 kmは東北北部、中国、四国地方となり、2021年は16.9%となっている。1,000 km以上は北海道、九州が該当し、全国のなかでも野菜の生産量が特に多い地域である。1970年には10.5%であったのが、1990年には20.7%となり、その後24%前後で推移している。

地方部中央卸売市場における産地からの輸送距離

九州地方には6ヶ所の中央卸売市場があり、福岡県に福岡市、北九州市、久留米市の3ヵ所、その他長崎市、宮崎市、鹿児島市となっている。熊本市、大分市には中央卸売市場がなく、地方卸売市場のみとなっている。福岡市中央卸売市場が最も大きく、2020年の野菜の年間取扱量は24万448 tである。日本最大の東京都中央卸売市場大田市場(76万2,799 t)の約3分の1であり、3大都市圏以外では最大の取扱量を誇っている。

市場によって、傾向には大きな差異があるが、福岡市と北九州市は、似た構造となっている。中距離の250~500 kmがそれぞれ14.4%、17.8%、1,000 km以上は30.1%、36.7%となっているため、今後、物流の制約が問題となることが予想される。これは東京都中央卸売市場大田市場の構造と似たものとなっており、特に1,000 km以上の割合は、福岡市、北九州市の方が多く、長距離輸送が困難になることは、これらの市場に多大な影響を与えることが予想される。

輸送能力不足

2030年には、34.1%(9.4億トン)の輸送能力不足※が懸念される。※株式会社NX総合研究所試算(2022年11月11日)

鉄道貨物協会によると、2028年度に必要なドライバー数は117.4万人なのに対し、供給可能なドライバー数は89.6万人であり、不足ドライバー数は27.8万人としている。

日本ロジスティクスシステム協会によると、2015年のドライバー数は76.7万人なのに対して2030年には51.9万人にまで減少するとしている。同じ需要貨物量があるとすると、約3割の貨物が輸送できない。

大型貨物車は特に深刻であり、鉄道貨物協会によると、2005年が46.4万人だったのが、2020年に31.7万人、2030年には25.9万人になるとしている。大型貨物車のドライバー数が足りないということは、特に中長距離輸送に与える影響が大きくなる。

トラックの積載率において、鮮度維持が困難な青果物は約3割しかなく、物流効率化最大のボトルネックとなっている。

冷蔵物流拠点の老朽化

日本冷蔵倉庫協会のデータによれば、冷蔵倉庫の庫齢分布は、2020年4月時点で、全国30年以上が37%、東京都内で34%とされている。また、首都圏周辺での冷蔵冷凍倉庫も不足している事から、全体的に大ロット輸送を実現するための「受け皿」が不足している事が窺える。

鉄道貨物協会によると、2028年度に必要なドライバー数は117.4万人なのに対し、供給可能なドライバー数は89.6万人であり、不足ドライバー数は27.8万人としている。

日本ロジスティクスシステム協会によると、2015年のドライバー数は76.7万人なのに対して2030年には51.9万人にまで減少するとしている。同じ需要貨物量があるとすると、約3割の貨物が輸送できない。

大型貨物車は特に深刻であり、鉄道貨物協会によると、2005年が46.4万人だったのが、2020年に31.7万人、2030年には25.9万人になるとしている。大型貨物車のドライバー数が足りないということは、特に中長距離輸送に与える影響が大きくなる。

トラックの積載率において、鮮度維持が困難な青果物は約3割しかなく、物流効率化最大のボトルネックとなっている。

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